「縄文意識」とは、己が生業に全力で勤しみ、無我や没自然の境地となって真の自己を解き放ち、あるがままの姿で自由に生き切っていく意識のこと。=0意識(私=0=∞)=ゼロ・ポイント・フィールド。ただしコトの成就や調和は神や仏、自然や宇宙に任せる。

吉川さん:先ず北斎自身の姿を投影していると考えられる「公孫勝(像)」について見ていきましょう。
疫病が流行りやすい真夏に寄せ来るであろう数多の厄災神や荒ぶる神たちに対し、得意の方術を使って、東町屋台天井絵に描かれた「龍(→右回転)」と「鳳凰(→左回転)」を行使し召喚して迎撃を開始します。
ところが思わぬ激戦となってしまい、必殺奥義の「五雷天罡の法」を発動すべく上町屋台天井絵に描かれた『隅田川怒濤図』の「女浪(→右螺旋回転)」・「男浪(→左螺旋回転)」よりもたらされる渦の力(=スピンエネルギー)を駆使します。
黒雲を立ち上がらせ雷鳴を轟かせて、金の神兵である龍族の王「応龍」(像)を呼び寄せることで、数多の厄災神や荒ぶる神たちを撃滅・退治します。このような「呪術行使」のために用いられたのが、祇園祭両屋台にまつわるこれらの作品の数々ではなかったかと推定するものです。
ところで『隅田川怒濤図』の「男浪」・「女浪」を凝視することによって想起されてくる有名な縄文モニュメントとしては、秋田県鹿角市十和田にある縄文後期(約4000年前)の配石遺構の〝大湯環状列石〞が挙げられます。
ストーンサークルとしては国内最大の規模を誇るこのストーンサークルの構造は、内帯と外帯の二重の組石が環状に配列されており、その内帯と外帯の中間帯には日時計状組石が見られます。このような形態を共に有する万座環状列石(最大径52メートル)と野中堂環状列石(最大径44メートル)とが、約130メートルの間隔をおいて東西に対峙・並列して存在し、一対として〝大湯環状列石〞を形成しています。
これらの環状列石から東北に向かって約2km離れた地点に、標高280.6mの高さの「黒又山」と呼ばれる人工ピラミッド?とも推測されている神聖な山があります。おそらくこの「黒又山」と〝大湯環状列石〞の「万座環状列石(→右回転)」・「野中堂環状列石(→左回転)」とは、不離則・不可分の関係にあったことはほぼ間違いないと感得しています。
そしてこれらの縄文遺跡と祇園祭上町屋台におけるエネルギーの流動及び循環構造ともいうべきものは、図表(下段参照)の如く表示され両者の類似性を読み取ることができるのではないかと推察していますが如何でしょうか。
(次号に続く)

野中堂環状列石)、右手奥が黒又山。
出典:JOMON ARCHIVES

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吉川 竜実さんプロフィール
神宮禰宜・博士(文学)
皇學館大学大学院博士前期課程修了後、平成元(1989)年、伊勢神宮に奉職。平成2(1990)年、即位礼および大嘗祭後の天皇(現上皇)陛下神宮御親謁の儀、平成5(1993)年第61回式年遷宮、平成25(2013)年第622回式年遷宮、平成31(2019)年、御退位につき天皇(現上皇)陛下神宮御親謁の儀、令和元(2019)年、即位礼及び大嘗祭後の天皇(今上)陛下神宮御親謁の儀に奉仕。平成11(1999)年第1回・平成28(2016)年第3回神宮大宮司学術奨励賞、平成29(2017)年、神道文化賞受賞。
通称“さくらばあちゃん”として活躍されていたが、現役神職として初めて実名で神道を書籍(『神道ことはじめ』)で伝える。
知っているようで知らないことが多い「神道」。『神道ことはじめ』は、そのイロハを、吉川竜実さんが、気さくで楽しく慈しみ深いお人柄そのままに、わかりやすく教えてくれます。読むだけで天とつながる軸が通るような、地に足をつけて生きる力と指針を与えてくれる慈愛に満ちた一冊。あらためて、神道が日本人の日常を形作っていることを実感させてくれるでしょう。
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