「満月のLetter vol.2」 奈良・天河神社の節分祭「音霊奉納」を取材してきました!

サウンドアーティスト岡野弘幹さんの世界

去る令和4年2月3日(木)。

奈良県の天川村にある「大峰本宮 天河大辨財天社てんかわだいべんざいてんしゃ(以後、天河神社てんかわじんじゃ)」の節分祭にて、サウンドアーティストの岡野弘幹さんによる「年明け音霊奉納」が行われました。

音霊奉納は、年に一度の節分の日に、特別な空間で岡野さんが神様へと“音”を奏上される神事。

その素晴らしい活動は、なんと今年で18年目を迎えるとのこと。

「こんな素晴らしい岡野さんの活動と想いを、皆さまへお届けしたい!」

その想いで、トータルの取材班は音霊奉納に行って参りましたので、そのレポートをお届けさせていただきます!

弘法大師も参籠した霊験あらたかな天河神社

その前に、天河神社さんのことを少しご紹介させていただきますね。

秘境の地として知られる奈良県の天川村。深山幽谷の大峯山脈を擁し、古くから魂の成長を求める修験者たちの聖地とされ、弘法大師・空海も修行を行ったとされる「霊峰大峯山れいほうおおみねさん」には今なお多くの修験者が訪れています。

その大峯山を流れる清冽な清流のほとりに建つのが、日本五弁財天の一つに数えられる天河神社です。

ヤマト三大霊場とされる「高野」「吉野」「熊野」を結ぶ三角形の中心部に位置し、とてつもないエネルギーを宿す霊験あらたかな神社として知られています。

その天河神社さんで毎年行われる節分祭は、前日の「鬼の宿」(神迎え神事・社家宅)から始まり、当日は朝から「所願成就厄除け採燈護摩厳修さいとうごまごんしゅ」が催行されていました。

天河神社の宮司さま
所願成就厄除け採燈護摩厳修
岡野さんも祈りを捧げます。

そのご神事の夜に行われたのが、岡野さんの“音霊奉納”です。

神様や祖霊と対話するかのように音霊が飛び交う

取材班が到着したのは午後7時頃。外気は1℃ほどで、道路脇に残る白い雪の塊が天川の寒さを物語っていました。

天河神社の鳥居をくぐると、そこは、しんとした清浄なエネルギーの中に灯籠の橙色の灯りがかすかに揺れている、なんとも不思議な空間でした。

清らかなエネルギーを感じる空間。

取材班が席についてしばらくすると、宵闇の中、禰宜ねぎさまにて祝詞の奏上が始まりました。

祝詞が読み終えられると、続いて“古代ヴェーダ朗唱会”の代表の佐藤氏による、インドの古代ヴェーダの祈りが朗唱されました。

古代ヴェーダの祈りの朗唱

岡野さんはこの朗唱の響きを、「まるで水の波紋が広がるような波動」と話されていましたが、まさに、言葉は分からないもののその響きには水の中で身を委ねているかのような心地よさを感じました。

さて、いよいよ、岡野さんの演奏が始まります。

最初は、静けさの中での四方拝しほうはい

東西南北、そして天と地へ向けて、岡野さんの“イーグルボーンホイッスル”の音が、高く、涼やかに響き渡ります。

イーグル(鷲)の肩骨の笛の音は、最も高く飛ぶことのできるイーグルが大空を力強く羽ばたき、一筋の光の筋を宇宙に描くような響き。

高周波を発し、東西南北のスピリットを呼び込み、天と地が結ばれるそうです。

岡野さんの四方拝。

四方拝が終わると、音霊奉納の一曲目が奏上されます。

フルートのソロ曲「MOTHER SONG」です。

岡野さんのフルートは何度も聞いたことがあるのですが、大いなる存在とともに今はこの天川の空間に自分たちも融合していると感じると、音の響きの中に溶けていくような感覚を覚えました。まるで、自分自身が“音そのもの”になっているような…。

そういえば後から気づいたのですが、あの空間の中では全く寒さを感じていませんでした。それは取材班の全員が感じていたそうです。不思議ですね。

そうしていくつかの曲が奏上された舞台の終盤には、「天河メディスンドラム隊」のメンバーの方々が舞台に参加され、岡野さんを囲んで「OMETEOTOL」という曲が演奏されました。

この曲は、陰陽統合と空(くう)を讃える喜びの歌だそう。

ちなみに、天河メディスンドラムとは、吉野熊野山系で害獣として間引かれている鹿たちの御霊の供養のために天河にて命を再生したネイティブ・アメリカンの祈りのドラムです。

先ほどとは打って変わって、ドラムの軽快な音と演者の踊りながらの歌声に、こちらもだんだん楽しくなってきて、会場全体がなんだか陽気な空気に満たされていきます。

そこにいる全ての存在がワクワク楽しんでいるような、広い広い地球の奥深い山中の夜空の下で、神様と祖霊の御霊、生きとし生けるもの、そして人々が歌と踊りで対話し繋がる感覚。

そんな空間が、きっと私たちの知らない地球のどこかでも、こうして繰り広げられているのだろう…

そんなことを考えていたら、時間はあっという間に過ぎてゆきました。

「天河メディスンドラム隊」も加わり、楽しい雰囲気に。
観客の手拍子も加わります。

美しい「透明な祈り」とともに立春へ

全ての演奏が終わると、盛大な拍手の中、岡野さんのご挨拶が始まりました。

今日のためにはるばる足を運んでくれた方々への感謝、舞台で一緒に辨財天さまや先住の祖霊の御霊へ、水の星マザーアースへ祈り奏でてくれた方々への感謝、舞台に清浄な花を供えくれた方々への感謝など、たくさんのご縁に対してのお礼の言葉が伝えられました。

そして特に心に響いたのが、岡野さんが30年あまりも“自身の魂の故郷”として繋がってきた天河神社さんで、奉納演奏を始めるきっかけになったという言葉。

それは、宮司さまが岡野さんにかけられたという言葉。

「あなたの中に真心があるならば、その真心を音に、波動として届けなさい」

この言葉で、岡野さんは18年にわたり音霊奉納を続けてこられたといいます。

どうして岡野さんの音は心を、いえ、魂を揺さぶるように感じるのかが、なんとなく分かったような気がしました。

さて、最後は、宮司さまが舞台に上がられました。

実はこの日、第65代宮司さまが宮司としての最後のご奉職の日であり、節分から立春へ向かうとともに御子息の禰宜さまへ代替わりされ、大宮司さまとなられるとのこと。

参加者は、何ともありがたいことに宮司さまのご挨拶の場に立ち合わせていただけたのです。

その場ですぐメモを取ることができず、一言一句をお伝えすることができなくて申し訳ないのですが、このようなことをおっしゃっていました。

「立春より、Aの国の子、Bの国の子というような境界はなくなり、いよいよ私たちは一つになっていくように思います。ワンネス。そのような輝かしい未来を、今日という日に感じました。」

心があたたかくなるような宮司さまの想いを、ぜひ皆さまにも共有させていただきたいと思います。

ご挨拶の最後には、「明日からは宮司ではなく“おっちゃん”と呼んで、いつでも会いにきてください。」と冗談を交えて話されていて、その穏やかな笑顔がとても印象的でした。

また、岡野さんはその宮司さまを優しい眼差しで見つめられていて、「なんと透明な祈り」と表現されていたことが、とても美しかったです。

第66代宮司さま(左)、岡野さん(中央)、第65代宮司さま

18年目の「音霊奉納」を終えて。岡野さんの想い

さて、音霊奉納の後日、取材班は岡野さんへお礼のメッセージと、いくつかの質問をお送りさせていただきました。それに対して岡野さんよりお返事をいただいていますので、ここに掲載させていただきます。

取材班:18年目の奉納演奏、本当にお疲れ様でございました。無事に終えられて、どんなお気持ちでいらっしゃいますか? 

岡野さん:御奉納が無事終えられたことにほっとしています。 本年は宮司様の65代から66代への代替わりも伝えられ様々な思いが湧いてまいりました。 感謝、寂しさ、これからの未来の天河社への思いなどが混在した感覚です。 

取材班:奉納演奏の際は、どんなことを想い、演奏されるのでしょうか?

岡野さん:いつも感謝と世界の安穏を願って舞台に立ちたいと思っています。 天河のお社の下には大和平野を潤す水瓶があると聞きます。私たちの祈りの音の波動が水に伝わる、そんな気持ちで演奏できればと願っています。 

取材班:演奏のはじめの四方拝の際、何かの存在を感じていらっしゃるのでしょうか?どのような感覚なのかをよろしければお聞かせいただきたいです。 

岡野さん:四方、そして天地の神々への祈りとともに天川坪ノ内の真ん中に立つ神社の能舞台。北に橿原そして大和平野、南に玉置山、熊野三山。東に大峯、大台ケ原、伊勢。西に吉野、高野山の神仏へも祈ります。 

取材班:「あなたの中に真心があるならば、その真心を音(波動)にして届けなさい」 このお話をしてくださったとき、とても感動しました。そして、どうして岡野さんが音を届けられているのか、岡野さんの音が大好きな方々へもお伝えしたいと思いました。この言葉をもらったときのストーリーを詳しく教えていただけますでしょうか? 

岡野さん:2004年にラコタ族の精神的指導者CHIEF ARVOL LOOKING HORSEの呼びかけで日本の富士山でWorld Peace & Prayer Day 世界平和と祈りの日が行われました。私はオーガナイズメンバーとして開催に深く関わりました。その時、先住民の長老に、それぞれの国の聖地で祈り奏でなさいと言われたことが私の音霊奉納を続けるきっかけとなりました。2005年に宮司様にそのお話をした時、あなたの真心を音に、波動として届けなさいとおっしゃっていただきました。そこから節分の音霊奉納が始まりました。 大地を守り、様々な命を守ってくださる神々への感謝を真心から奏でたいと思っています。

取材班:大宮司さんや宮司さんとはどのようなお話をされましたか?

岡野さん:大宮司様はニコニコされながら新たなご活動への意欲と思いを伝えてくださいました。 新宮司様とのお話は新たなる天河の未来への道を歩まれるお覚悟のようなものを感じました。 

取材班:風のない静かな夜でしたが、あの天川の夜に感じられたことはありますか?

岡野さん:今回の立春を迎える夜はとても静かで清浄なエネルギーに満ちていたように感じています。 様々な節目のタイミング、新たなる2022年が幸せに満ちた一年となりますように。 

最後に。

天河神社さんでの岡野さんの音の波動に触れて、改めて思いました。

「全ての命が輝きますように。」

皆さま、長い文章にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。岡野さんの活動レポートは今後も掲載していく予定ですので、どうぞ楽しみにしていてください。

【下記のリンクより過去の音霊奉納の様子をご覧いただけます!】

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