今回は歯磨き剤の開発を通じて、生活習慣トラブルと関わりの深い口腔内の問題改善に取り組み続けている、『バイオペースト』開発者、株式会社アルラ代表取締役・岩月 淳さんにお話をお伺いします。
株式会社アルラ 代表取締役
岩月 淳さん
昭和39年、愛知県生まれ。1992年に株式会社トータルヘルスデザインに入社し、2008年、同代表取締役に就任。2011年に独立、株式会社アルラを設立。人や環境にやさしく、豊かな社会生活を創造するために有益な情報を広く世に伝えることをモットーとし、主に健康食品・化粧品の開発、健康住宅づくりのコンサルティングを行う。アルラチベット医学センター顧問、一般社団法人国際和合医療学会常任理事、健康住宅研究会主催、内閣府認証NPO法人生活安全支援センター賛助会員なども務める。
歯科医のお墨付き!歯石の原因、バイオフィルムを洗浄!
編: 寝覚めの口中のスッキリ感から「使うとほかの歯磨き剤に戻れない」と多くの人が絶賛する『バイオペースト』、私も「歯磨きの次元が変わる」と感じて以来、これ以外は買ったことがありません。先日、外泊先に忘れていって、仕方なくアメニティの歯磨き剤で磨いて、翌朝のモヤモヤ感に「昔はこうだったよな」と改めて『バイオペースト』のありがたみを感じる、よい機会となりました。
岩月 淳さん(以下、岩月さん): ありがとうございます。安全性と高い洗浄力を両立させる洗浄成分「バイオミネラル」に出合ったことで『バイオペースト』を世に出すことができました。
バイオミネラルは天然の海水ミネラルなのですが、驚くべき洗浄力と環境を浄化する性質を兼ね備え、公共機関で高速道路の洗浄に採用される実力を持っています。私自身、歯磨き剤の開発に当たってさまざまな洗浄剤をテストしてきたのですが、洗浄力が強ければ粘膜が荒れるし、粘膜にやさしければ洗浄力が落ちるしで、その両立がどうしても超えられない壁でした。しかしこのバイオミネラルは、強いアルカリ性を持ちながら粘膜が荒れず、界面活性剤のように再付着する性質もないため、本当にスッキリします。
編: 歯科医に「よく磨けている」と褒められる人も非常に多いようですね!
岩月さん: 「歯科に行かなければ落とせない」といわれる歯石の原因「バイオフィルム」を洗い流せるからだと思います。歯科医の方々からも「これができる歯磨き剤はほかにない」と、お墨付きをもらっています。また、マイナス150~200mVという還元電位は、口臭を抑えるだけでなく、菌以外にカビ(真菌)やウイルスを洗い流すのに役立っています。
おかげさまで一昨年、世界各国から数百名の発表者が集まるECIM(European Congress of Internal Medicine)という代替医療の国際大会で、『バイオペースト』について発表する機会をいただきました。さまざまな資料をもとに、この歯磨きが抵抗力を上げるはたらきに触れたところ、その持つ可能性について大いに評価を受けました。
編: 人の抵抗力にも関係があるのですか?
岩月さん: そもそも歯磨きという行為そのものが、ウイルス感染の予防に大きく関わっているのです。杉並区の元区長が、小学校44校中7校に歯磨き用の洗面台を設置して昼の歯磨きを義務付けたところ、予防に大きく貢献したという実績があります。実はウイルスというのは菌が出す酵素なしには体内に入ることができないことがわかっていて、口腔内菌の増殖を予防することは、まさしく感染予防そのものなのですね。
「バイオミネラル」もこの菌や菌の餌を洗い流す力に優れていますが、それ以外にも抵抗力を上げる要素があるようで、これから研究していくところです。
編: そういえばウイルスの時期に、お子さんがこれを1本食べてしまったことがありましたね!
岩月さん: 学校でうつされたくないというので、『バイオペースト』を舐めておくよう言ったところ、加減がわからず、一日で1本全部食べてしまったのです。ウイルスから守ると同時に、「子どもが一日1本食べても問題なし」という試験もできました(笑)。
『バイオペースト』は、介護などのシーンでも利用できるよう、オーガニックフード相当の安全性を目指しました。「経皮毒」という言葉はご存知の方が多いと思いますが、口から入ったものは9割以上体外へ排出されるのに対し、肌から入ったものは約9割が体内に残るといわれています。最も吸収率が高いのは粘膜で、狭心症の方が発作の際、ニトログリセリンを舌下に入れると十数秒で作用が始まるほど早いのです。
編: 毎日使う歯磨き剤も、粘膜吸収されているわけですね。
岩月さん: そうです。ですから構成する物質は安全性が重要になります。また、歯磨きのあとに何か食べると味がわからなくなることがありますが、あれは歯磨き剤の化学物質で味蕾が傷ついている現象です。それも『バイオペースト』なら起こりません。唾液が増えて、口腔内の乾燥が落ち着く、という声もあります。唾液は歯のエナメル質と同じリン酸やカルシウムを成分としているため、正常に分泌されると、歯のエナメル質が一旦薄くなっても、再石灰化していきます。
これが幸いするのか、冷たいものを食べたときのズキズキが気にならなくなるという声も多く、中には40年来の悩みが消えたという方もいらっしゃいます。
歯科のない病院のためのトラブルを予防できる歯磨き剤
編: このようなレベルの歯磨き剤を、作ってまで世に出そうと思われたきっかけは何だったのですか?
岩月さん: チベットの人々の歯のトラブルをなんとかしたいと思ったのです。彼らは高度な伝統医療を持ちながら、歯科だけは持っていません。もともと肉を骨まで食べるほど歯が丈夫な民族だったのですが、近年、カップ麺やスナック菓子など外国の食文化が流入してきたことで、彼らの口腔内のトラブルは急増しています。子どもが笑うと歯が半分ないような状態です。
これまでも、ギネスブックで歯周トラブルが「人類史上最大の感染症、地球規模で蔓延」と紹介された話はよくお伝えしてきました。自覚がほとんどないまま進行していくこの口腔内トラブルが、私達の生活習慣トラブルと密接に関わっていることは、もはや歯科の業界で常識となりつつあります。このままでは、チベットの人々の健康状態にまで害が及んでしまいます。
まずは歯科部門を作ろうと試みたのですが、うまく根づきませんでした。そのため、歯科がなくても毎日の歯磨きで歯周トラブルを防ぐことのできる歯磨き剤を作る必要があったのです。チベットの伝承医療の現場での使用が前提でしたから、同じ考え方で作られたものでなければなりません。
編: それはどんな考え方なのですか?
岩月さん: チベットの医師たちは、朝は経を読んで自分の中を研ぎ澄まし、世界の平和を祈るという高僧としての生活を送ります。だからこそ、この伝承医療は力を持っているのです。私自身も「この歯磨剤を通して本当に世の中の役に立つ」という決意で、私利私欲を消すため、そして求める本物をつくるため、本格的な禊を続けながら開発に携わりました。
編: なるほど。そのような意識で通り組まれたからこそ、「バイオミネラル」のような素材との出合いがあったわけですね。チベットの方々だけでなく、これから世界の人々が救われていくことになるでしょうね!
ここまで関係していた!歯周菌と生活習慣トラブル
編: 私たちの健康にまで影響が及ぶという歯周トラブルについて、もう少し教えてください。
岩月さん: この歯周トラブルの原因となる菌は、日本でも国民の90%が持っていると言われます。このように広がってしまう理由は、その増殖が非常に容易だからだと思われます。たとえば親が菌を持っていて、同じスプーンで食事するだけでも簡単にうつり、菌が一匹でも残っていれば、12時間後には1680万個に増えるという増殖力です。口腔内には種類にして300~400(一説によると700)、個数にするとよく磨く人でも1000~2000億、ケアしない人なら1兆個くらいの菌が存在しているといわれます。
編: もはや逃れられない感じですね。
岩月さん: しかし菌を保持しているからといって、すぐにそれがトラブルを起こすということではないのです。「バイオフィルム」の状態を毎回の歯磨きでリセットすることができれば、菌が口腔内にあっても、実際のトラブルとして不調を起こす状態に至るのを防ぐことができます。
しかしここからが重要なのですが、たとえば口の中にちょっと噛み傷ができただけでも、これらの菌はそこから体内へ入り、全身、足の指先から頭部、至るところに棲みつくのです。頭部には厳重な関所のようなものがあり、ほとんどの物質がシャットアウトされるのですが、歯周菌はそこを通過してしまうようです。認知トラブルに至ってはその97%が、口腔内の菌の頭部到達で引き起こされるともいわれます。
編: 年齢とともに歯周のトラブルが増えますが、そのせいで認知の問題も引き起こされているということですか。
岩月さん: はっきり言えませんが、原因のひとつであることは確かです。救急で運び込まれる件数でトップに上がるトラブルの数々も、死亡後に解剖すると、問題のあった場所に歯周菌の塊が見つかっています。おそらく抵抗力が弱まったとき、口腔内だけにとどまらず、この菌数が体内でも一気に増加して、大きなトラブルにつながるのでしょう。
さらには妊婦さんにも影響があります。日本臨床歯周病学会認定医・指導・理事の奥田裕司医師の研究によると、お母さんが歯周にトラブルを持っていると、低体重児や早産になる確率が上がるということがわかっています。
編: 妊婦さんはかなり気をつけなければならないのですね。
岩月さん: 歯周菌は、実に多くのトラブルにかかわっています。川にたとえれば、体に出ているトラブルは下流で起きていることで、上流でその原因となっているのは歯周菌だということなのです。歯科医師業界の中でもこれは常識となっており、その関係はアメリカでは歯科内科学会、日本では国際歯周内科学会で研究されています。内科・歯科の両方をもつクリニックも増えていて、トラブルが見つかれば、まず歯の方から治療が行われるようになりました。このように、口腔ケアとからだの関係がわかるにつれ、そのケアの質をいかに上げるかということに当然意識が向くわけですよね。
編: 逆に、歯周菌を増加させないことが、そうしたトラブルの予防につながることはあるのでしょうか。
岩月さん: 実際、関節や肌、認知の問題、頭部のトラブルのあとの手足の不自由さまでもが、口腔内のケアで軽減するなどの話は増えてきています。また、認知の問題で、外に出ると家に帰れなくなっていたご家族が、『バイオペースト』で磨きだしたら普通に帰れるようになったというような話もあります。
編: あらためて、スーパーハイポテンシャルな歯磨き剤ですね!
岩月さん: 残念ながら薬品を含まないため、医薬部外品としては認められず、その機能のすべてを謳うことができません。しかし、その公表していない機能について興味を示してくださる歯科医の方は非常に多く、今年、九州歯科大学との提携も始まりました。また、歯科医師の集まる学会では『バイオペースト』について発表される先生が増え、臨床の現場における結果の声も、多数上がるようになってきました。今後もさらに研究を推進し、その機能性を調査しながら、良いものがあれば取り入れ、さらなる性能アップに努めていきます。
『バイオペースト』は市販されている歯磨き剤に比べればやはり高い、ということにはなるのですが、使用量は、米粒程度で十分で、マックスでも通常の歯磨き剤使用量の1/3で済みます。ご自身やご家族の健康のために、毎日これで歯を磨く、という選択をしていただければとても嬉しいです。 私はこの『バイオペースト』を通じて、世界の人々の健康に貢献きると自負していますし、またそれが私の幼いころからの夢である「多くの人の役に立ちたい」ということの実現になると確信しています。
編: 本当に素晴らしい歯磨き剤を世に出してくださって、ありがとうございます! 皆さんもぜひこの機会に、『バイオペースト』をお試しください!
(インタビュー:滝澤 朋子)