去る令和4年6月13日。
奈良県吉野郡にある天河神社こと「大峯本宮 天河大辨財天社」で、岡野弘幹さんによる新しいCDのための「音霊の収録」が行われました。
岡野さんが神さまに奉納される神聖な音は、音霊そのもの。
その音霊を収録するという神聖な場に、岡野さんのはからいで、トータルヘルスデザインの取材班が立ち合わせていただくことができました。
この貴重な体験を皆さまにも共有させていただきたく、新CDができるまでの軌跡を全3回にわたってお届けしてまいります。
今回はそのレポート(第1回)をお届けいたしますので、ぜひ最後までお読みください。
聖地巡礼シリーズのスタート地、「天河大辨財天社」
ところで、天河大辨財天社(以後、天河神社)で収録が行われたことについて、「なぜ神社で収録を?」と疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
今回なぜ、神社で収録が行われたかというと・・・
それは、新しいCDのコンセプトが
「日本の聖地を巡礼し、その神聖なる土地で岡野さんが奉納する音霊を直接収録する」
というものだったからです。
日本の神社仏閣・世界の聖地、自然遺産での奉納演奏は、岡野さんが「自身のライフワーク」と話される活動。
これまでに、熊野本宮大社や橿原神宮、二見輿玉神社、出雲大社、比叡山延暦寺、平城京など国内だけでも実に70ヶ所以上、国外ではパールハーバー、ストーンヘンジ遺跡、リバーサイド教会・貿易センタービル跡地、ビッグマウンテンなどで奉納演奏されてきました。
そんな中、スタジオではなく聖地で音を収録するという試みは、実は以前に一度だけ、「聖地巡礼」という番組を関西テレビさんと企画してDVDとCDを製作されています。
それから10年経った今、岡野さんはこのように話されます。
私の中で音や響きに対する意識も大きく変容しました。 今だからこそ伝えられる響きがあるのではないかと思います。
現在の岡野さんの想いが乗った新しいCDは「聖地巡礼シリーズ」と題され、これから各聖地で演奏された音が1枚のCDとしてつくられていく予定です。
そして、その“第1作目”の舞台であり「聖地巡礼シリーズ」のスタート地となったのが、今回収録が行われた「天河神社」だったのです。
天河神社は、岡野さんが「魂の故郷」と呼んで心から大切にされている場所。
そのことは「満月のLetter vol.2」の取材レポートでも触れていますが、今回改めて、「なぜ第一作目に天河神社を選ばれたのですか?」と岡野さんに尋ねてみました。
岡野さんは、このように答えてくれました。
天河神社は、私にとって故郷のような聖地であり、そこを訪れた誰もが聖地であることを感じられる不思議な場所だからです。
30年程前に天河神社で左手首を骨折したことから、私の音楽家としての人生が大きく変わりました。
何のために音楽を生業にするのか。そのことを深く考えるきっかけになった場所です。
毎年、節分に奉納演奏を行うようになって18年。これは、ずっと続けていきたいと思っています。
リハーサルで涙がこぼれ落ちました
取材班が天河神社に到着したのは17時頃で、ちょうど岡野さんのリハーサルが行われていました。
たまたまお参りに来られていた地元の方々とともに、岡野さんの音に聴き入りました。
「身じろぎができない」とは、まさにこういう状態を言うのでしょう。
日が暮れる少し前の、水無月の空の下、みんなが岡野さんの音だけを追いかけているようでした。
居合わせた男性の方は天河でお宿を営まれているそうで、
「お客様にお出しする料理をたくさん作っていたので、体中が汗ばんでいましたが、なんとも清々しい音に、スーッと風が通り抜けたように涼やかになりました」と感動されていました。
取材班の1人はというと、涙がひとりでに流れていました。
どこまでも優しく、心が瑞々しく満たされていく音でした。
でもやはり言葉では表現しきれませんので、ぜひ実際の音を聴いてみてください。
収録直前のひとときに
リハーサルの途中、岡野さんはCDを一緒に制作される仲間の方々を紹介してくれました。
カメラマンの三浦真嗣さんと、音響技師の湯原大地さん、岡野さんの御子息でアシスタントをされている川西紘明さんです。
ちなみに、先ほどのリハーサルの動画でバックミュージックに流れていたアコースティックギターは、川西紘明さんが奏でられているそうです。親子で共演されるって素敵ですね。
続いて、今回の収録に使われるたくさんの機材についての説明も。
持ち込まれていた音響の機械は、音を全体としてではなく、一つひとつの音を拾う性能を持っているそうです。すごいですね。
取材班は皆さまにお伝えするべく夢中で写真を撮り続ける中、いよいよ日も暮れ、本番の収録が近づいてきました。
時刻は18時になり、収録を始める前に、まずは天河神社の神さまへの「報告祭」が行われました。
神さまへ、「聖地巡礼シリーズ」をこの地からスタートさせていただくことを宮司さまとともに報告するのです。
そのような大切なご神事に、岡野さんは取材班を同席させてくださいました。
ということで次回は、神聖なエネルギーが満ちていた「報告祭」の様子をお届けさせていただきます。ぜひ楽しみにお待ちください。
最後までお読みいただきありがとうございました!